いつも心に音楽と、山と

さすらいの教師takebowの趣味の部屋

日曜日, 7月 23, 0018

山行回想4-剣岳-


「山を想えば 人恋し
人を想えば 山恋し」(百瀬慎太郎)


初めて白馬から見た剣岳の 偉容は忘れられない。もっともその時は名前が分からず、「あれ何だ?」と言っていた位だから、小生のレベルも大したことない。ただそんなド素人でも興味を 持ってしまうほど、特異な個性の持ち主だ。このように強烈な個性を持った山には槍、穂高、鹿島槍、南では甲斐駒ヶ岳などがあげられるが、中でも日本海にほ ど近い場所なのもあって、剣岳の自己主張はバツグンである。剣の先のようで、諸刃の名刀のようで、江戸期の「立山曼荼羅」では地獄の針の山として描かれて いる。

小生にとって、剣は挑戦し続けている山である。一番初めは、小屋がけの単独行で台風が接近している中、室堂の バスターミナルを出発。雨風ともに強くなり雷鳥沢を登っている際には、何度か風を避ける必要が生じるほどであった。別山乗越の剣御前小屋にやっとの思いで 到着。しかし、翌日は台風来襲のため丸一日停滞。小屋にいる客は私くらいになってしまった。もちろん目の前にあるはずの剣はまったく見えない。ところが、 翌朝は台風一過の快晴で、あれほど遠かった剣を目の当たりにしながら、実に快適に登ることが出来た。難所と して知られる剣岳だが、落ち着いて一呼吸おいて当たれば一般登山道なので登れる。兎に角、焦らないことだ。それでも、下山路のカニのヨコバイにはまいっ た。背の低い小生では、足を確保する場所が見あたらず、鎖をもって身を投げ出す形にならないと下れないのであった。天候が落ち着いて安定していたからこ そ、難なくこなせたのだろう。好天を山の神に感謝した。そして、下山途中で室堂平の温泉に浸かったのはいうまでもない。

その後、無謀にも単独行&幕営で2回挑戦したが、2回とも暴風雨に遭い山頂を踏むことなく撤退している。剣沢の幕営地で撤収する際に風で飛ばないようテントを押さえるため、石を置いたらテントに穴が空いていた。結局、一度しか山の頂には達していないのである。

こんな思いをしても、もう一度、いや何度でも挑戦したい山。それが剣岳である。            (写真は剣沢野営場から剣岳)

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