いつも心に音楽と、山と

さすらいの教師takebowの趣味の部屋

土曜日, 7月 22, 0018

山行回想3-下ノ廊下-


「山を想えば 人恋し
人を想えば 山恋し」(百瀬慎太郎)


1泊2日で北アルプスの秘境中の秘境を旅したことがある。秋だけしか行けない処が、ここの難点ではあるが・・・

黒部ダムの横から下まで降り、橋を渡ると黒四ダムの大きさが実感できる。観光放水しているので、ナイアガラの滝下に来たかのように感じるだろう。そこからいよいよ現代の秘境下ノ廊下へ と入っていく訳である。内蔵助谷との出合を過ぎると、黒部らしく谷が狭くなってくる。所々、いかにも落石後ですよ、という雰囲気の斜面を歩く。デブリ、雪 のブロックが現れ、緊迫の度合いも高まる。十字峡の吊り橋を渡り、いよいよ岸壁にコの字型に掘られた旧日電歩道を歩くと、三国志の蜀の桟道に迷い込んだか のような錯角を受ける。ザックが大きめなので、壁にぶつからないように注意しながら進む。仙人ダムを越え、峠を乗越すと今日の宿・阿曽原温泉だ。幕営の準備をし、急いで、むき出しコンクリートの露天風呂にビール片手に入る。紅葉の季節は五段染と呼ばれる色を楽しめるそうだ。

翌日は欅平までの水平道を緊張しながら歩く。一箇所、ビックリしたのは志合谷で 沢の下をトンネルで抜けるのだが、鋭角的にカーブしているので全くの闇になる。よって、ライトが必要だ。その上、中は水びだしなので靴の中にも入り込む。 向こう側に出たら新しい靴下に替えられるようにしておこう。ここからは対岸の奥鐘山の岸壁を見ながら進み、鉄塔の下辺りから急な下り坂となると欅平駅は近い。トロッコ列車で宇奈月温泉に向かい、そこからは富山地方鉄道の旅、下界である。

緊張しつつ楽しめる、山のいで湯旅だった。                           (写真は十字峡)

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム