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さすらいの教師takebowの趣味の部屋

月曜日, 5月 08, 0018

【名曲名盤】オリ・ムストネン『展覧会の絵』


ロック好きだった高校時代、エマーソン、レイク&パーマーのライブ『展覧会の絵』を聴いた時は、この原曲がクラシックの名曲でロシアの作曲家ムソルグスキーの作品であるということぐらいしか分からなかった。

後年、クラシックを聴くようになって、この曲はモーリス・ラヴェルが管弦楽曲に編曲したバージョンが有名で、もとはピアノ曲であるということを知った。ピアノの組曲としてのお気に入りになったのは、ホロヴィッツのRCA盤で、1951年のライブという音的に厳しいモノだった。その後、この曲に対する思い入れから多くのアーティストの演奏を聴いたが、これというモノに巡り会えなかった。
そんな中、出会ったのがフィンランド出身のエキサイティングなピアニスト、オリ・ムストネンであった。彼は、ムソルグスキーが友人で画家のヴィクトル・ハルトマンの(追悼)展覧会で感じた、その作品群(絵)のイメージに忠実な演奏を心がけたのだ。それは4枚目の「ブイドウォ(=牛)」をモチーフにした演奏部分に典型的に表現されている。上記の有名ピアニスト達が、軽いテンポで弾いていた部分を、重く暗い演奏に変えている点にムストネンのムソルグスキー理解の深さも現れている。

オリ・ムストネンによって、我々はラヴェルの呪縛から解放されたのだった。


Olli Mustonen 『Russian Piano Works 』 Mussorgsky(Composer), et al Decca 1992

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