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さすらいの教師takebowの趣味の部屋

月曜日, 5月 15, 0018

【名曲名盤】ケニー・ドリュー『ダーク・ビューティー』


京都で学生生活をして良かったと思うのは、ジャズ喫茶にたくさん通えたことだ。東京にもあったのだが、ジャズ喫茶に行ったことはなかった。それは町の大きさが影響しているように思う。京都の街は狭いので、フリーならこことか、明るい店内で読書するならあそことか、狭い店ならそことか、選びやすかった。そんなお店で触れたのが、今日の一枚。『ダーク・ビューティー』だった。

後にオシャレなジャケの、売れ線のCDで有名になったケニー・ドリューであるが、当時は渋いジャケのレコード(死語)が多かった。普通なら、リバーサイド盤の『ケニー・ドリュー・トリオ』を採るべきだろう。が、なぜか北欧時代の彼の作品が好きであった。自分でも理由はハッキリしなかった。最近、ジャズを演っている友人に教えてもらったのだが、このアルバムのドラムはロック向きにチューニングされているそうで、演奏全体が私のロック魂を刺激しやすかったのだろう。ドライブ感溢れるパフォーマンスはロックおやじの私をぐいぐいとジャズへと向けてくれた。曲についてスタンダードの方が馴染みやすかったのは、心底ジャズマニアでない証拠かも知れない。さて、この作品を自分のモノとして手に入れたのはCDになってからであるが、手持ちのSteepleChase盤にはなぜか「In Your Own Sweet Way」「A Stranger In Paradise」の2曲が、『ダーク・ビューティー2』からおまけの如く入っている。私にとって、お気に入りとなったこの作品は、ロックのように掟破りの攻撃性を発揮し、ますます「黒光り」している。
今はもう昔の物語り。京都もほとんどジャズ喫茶は無くなってしまったそうだ。

KENNY DREW Trio 『DARK BEAUTY』  1974  SteepleChase

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